カミレツの彼



「わー、香澄ちゃんだ!」



「可愛いー、彼女にしたいよな」



「でも、隣にいるやつ彼氏らしいぜ」



「うわ、超地味。香澄ちゃんにつり合ってねー」



3年の棟に来ている私たちは、注目の的だ。



そんなことお構いなしに、進んでいく。



何しろ、私はものすごく怒っているのだ。



「香澄ちゃん、帰ろうよ。もういいから」



賢斗は本当に馬鹿だ、変な嘘を信用して。



自分に自信がないのか。



なら、自信を持たせてあげるよ。私が。