black-and-white

コツ、コツ、コツ……



「……」




微かに、もう1つ足音が聞こえる。



わたしのと重なって、聞こえにくいけど。



やっぱり、聞こえる。



誰かいる。



自然に早歩きになる。



あと少しで教室。



ってところで肩に手を置かれた。



びっくりして体ごと振り返る。



相手と、距離をとって。




「…要?」



「…澪……?」




驚いた事に相手は澪だった。



なんで、こんな時間に澪が校舎に居るの?




「お前、なんでここに…」



「英語の問題集忘れちゃって。教室に取りに……」