black-and-white





***




その日は結局澪に追い出され、寮の部屋に戻った。



今は机に向かって勉強している。




「あれ……?」




鞄の中を探しても、机の中を探しても、英語の問題集が無い。



教室に忘れたかな。



7時50分。



まだ校舎開いてるよね?



部屋の扉を開けたとき、真緒ちゃんが話しかけてきた。




「要?」



「ちょっと出掛けてくる」



真緒ちゃんにひとこと言ってから部屋を出た。












コツ、コツ、コツ……




暗闇にわたしの足音が消える。



廊下も教室も電気はついていない。



暗いのは怖くないけどなんか不気味…。