あの、声が。




『要……』




声のしたほうに振り替える。



1人の男性。



誰……なの?



目は赤く光、口から微かに牙が見える。




『彼こそが、吸血鬼──』




吸、血鬼……。



男性に肩を掴まれ、身動きが取れなくなる。



そのまま男性の顔が首に近づいて。




『吸血鬼とは───』




首筋を舐められ。




『人の形をした』




男性が顔を上げた時に見えた赤い瞳。




『人の血をむさぼる』




あれは血に飢えた瞳。




『獣──』




そして首に牙が埋められた。




「いやーーーーー!!!」




あの男性は、冬真君……?