black-and-white

目を下に伏せていたら、理事長が訳のわからないことを言い出した。




「僕はね、吸血鬼が悪いとは思わない。世間は吸血鬼の存在を公表してないけど、ヴァンパイアハンターだっているんだ。吸血鬼がいるということは、みんな知ることになる!」



「はぁー…」




少し呆れながら聞いていると肩に手を置かれた。



「……いくぞ」



「…うん」




冬真君が扉の方に行くのでわたしも理事長室をあとにした。



というより、拒めなかった。



冬真君が、わたしの手を握っていたから。