俺は振り返らずに、左手を振った。 『何?何?なんの知り合い?お前の女友達にしちゃ、随分マジメそうな子じゃん?』 『知り合いとかじゃねぇよ!』 まだ後ろを気にする貴也を引っ張りつつ、ボソッと言った。 『じゃあ何?まさか、本命?!』 『アホかっ!』 俺は、女なんて二度と本気で好きになんてならねぇ……。 もう二度と……。