甘い恋には遠すぎて



一気に緊張が解けたのか、そう言うとその場にしゃがみ込み泣き出しはじめた。


あちゃ〜〜こんなんで放り出していけねぇだろ……。


『ちょっと、そこで待ってろよ?すぐ戻るからな!』


俺は急ぎ足で路地を出て自動販売機で温かいお茶を買い、戻り


『ほら、飲めよ、落ちつくぞ?』


手渡すと泣きながらありがとうと受け取った。


よく見ると化粧っ気がないせいか幼い顔立ちをしていた。
ストレ−トの黒髪にパッチリした二重瞼、ぽってりとした唇だけが妙に大人っぽいが。