−5年後−


あのあと俺達は、見事にバラバラになった。告白を失敗した俺は、一臣と微妙な空気感になり、卒業間近だったこともあり、いつの間にか疎遠になってしまった。


ホッとした様な、どこか淋しいような不思議な気持ちだったな。


みや美ちゃんと莉奈は、無事に高校を卒業し、莉奈はそのままコンビニに就職、みや美ちゃんは短大に進み幼稚園の先生になっていた。


一臣は、卒業後、自分探しの旅に出たらしく、方々を点々としていたらしい。


俺はもう一臣と前のように友達でいられないんじゃないかと思っていたが、二年ほど前にまたこの街に戻っていた一臣と偶然再会し、話しをするうちに、また友達関係を築いていた。


もちろん、時が流れたせいもある。
それに本当の友情は、もし壊れかけたとしてもまた修復出来ることもあるんじゃないのかな……。



それに……



『おぉっ、悪い、遅くなった!!』


一臣が息を切らし、病院の自動ドアをくぐってきた。


『遅いよ!!そこ入って2つ目の扉だよ、行ってやって。』


『あぁ。』