夏稀さんから預かった手紙を見つめながら思った。


−また面倒な事になっちゃったなぁ…−


夏稀さんは自分が去ってから渡して…と言っていたけど、果してそれが本心なんだろうか?


もしかしたらまだやり直し……いやいや、そんな事は私が考えても仕方ない。


とにかく私はこの手紙を一臣さんに渡しさえすればいいんだ。


渡しさえすれば……。



でも一臣さん的には、手紙を渡されて、読んで、はいそうですか、バイバイとは簡単に気持ちが割り切れるもんじゃないよね、きっと。


もし二人が本当に別れるにしろなんにしろ、最後くらいきちんと話ししたいと思うんじゃないかな……。


私が一臣さんの立場ならそう思う。