『ありがとう?』


思わず聞き返してしまった。


『えぇ……久しぶりに一臣に会えて、凄く……嬉しかったわ。』


『はぁ……。』


『あのね、みや美ちゃんて言ったわよね?一臣のこと好き……?』


直球の質問に私はたじろいでしまった。


そんな私を見て、察したのかそれ以上を聞く事はしなかった。


『私はね、二年前に突然、一臣の前から何も言わずに姿を消したの……。』


夏稀さんは少し遠い目をして語り出した。


『なんでこんなことをあなたに話そうと思うのか自分でもわからないんだけど……聞いてくれるかな?』



『……はい。』