甘い恋には遠すぎて



だから俺は莉奈に少しだけ忠告することにした。


莉奈が首から下げている金のネックレスを指指し、


『それって金メッキ?』

『ううん、18金だよ。』


……ガクッ。



『ゴホン、ゴホン……ま、まぁいいや……莉奈、鍍金(メッキって知ってるか)?』


『メッキって剥げちゃうやつだよね。』


『そうそう。』


『それがどうしたの?』

『メッキが悪いとか言うわけじゃないんだけどさ……メッキの物ってさ、いくら大切にしててもそのうち剥げてちきゃうんだよ。たいした価値のないものをメッキできらびやかに見せて価値があるかのように見せる。』


『うん。』


『自分を嘘で塗り固めても、いつかは必ずバレる。仮にバレなかったとしても嘘に嘘を重ねていくと、そのうち自分が苦しくなるんだ。』



『…………。』


莉奈は言葉を発さず、俺の話しを聞いている。