甘い恋には遠すぎて



その帰り際、莉奈に説明して家に帰った。


私は、一臣さんが探しているであろう女性を偶然にも見つけてしまった。


莉奈は、黙っているべきだと言った。それにこんな狭い街なんだから、あえて言わなくても、一臣さんの耳に入るのも時間の問題だしと。


それに私が一臣さんに彼女の居場所を教えたら、自分が不利になるじゃんと。


確かに、もし二人が付き合うことになんかなってしまったら、私の失恋は確定だ。




確定なんだけど……


あの日、私の元から凄い勢いでナツキさんを追いかけて行った一臣さん、


とてもとても彼女に会いたかったんじゃないかなって……。


砂浜でずっと海を見つめる横顔がとても残念そうで、寂しそうで、悲しくて……。


本当は、こんなに近くにいるのに。