その後は、二人でしばらく浜辺で海を見つめていた。


ナツキが誰なのか、知りたくなかったわけじゃない。


むしろ凄く知りたかった。けど、一臣さんの背中がなぜか−何も聞かないでくれ−そう物語っているようで口を開くのをやめた。




随分時間が経ってから


『なんで何にも聞かないんだ?』


そう一臣さんは言った。


私はなんとなく微笑んだ。



『……ありがとな。』


一臣さんはそう言った。

本当はもっと一緒にいたかったけど、なんとなくこういう時は一人にしてあげた方がいいんじゃないかなと思って、先に帰りますねと言い残し、帰ってきた私。




あのあと一臣さんがどうしたのか、私は知らない。





でも……ホントは知りたい。