『あっ……イルカ!』
壁にイルカのショーの公演時間が張り出されているのを目にしたみや美が立ち止まり見ている。
『見たいのか?』
『……うん。見たい。』
モジモジするみや美。
『見ない!』
俺はスタスタと歩き出し、後ろを振り返る。
そこには呆然と立ち尽くすみや美。魂ぬけてんな…そんなに見たいのかよ。
まぁ、俺もただの意地悪で言っただけだから、見るつもりだけどよ。
『嘘だよ!見るぞ!』
すると満面の笑みを浮かべるみや美。
か、可愛いじゃんか……。
……ゴホン。
俺は慌てて携帯の時間を確かめ、まだ40分以上あることに気付き、先に違うフロアを見ることにした。



