俺は−危ない−と声を出すより先に、みや美を抱き寄せた。
女の子特有の柔らかい体つき、シャンプーの香りが、ほのかに俺の鼻をくすぐる。
香水などではない自然な香り。
なんか懐かしいな……。
俺の周りには、ドぎつい香水や化粧の匂いのプンプンとする女しかいねぇからかな。
みや美を抱き寄せていた時間は、きっとほんの数秒だったはずなのに……
なんでか俺は、もう少しだけ抱きしめていたい衝動に駆られていた。
そしてすぐに魚たちのショーがはじまり、俺達は何事もなかったかのように魅入っていた。
20分程のショーが終わり、ゾロゾロと他のお客様に紛れて、その場を後にする。



