『ダメなんだな。』
不意にボソリとそう呟いた。
私は思わず聞き返した。
『好きだったら、そんな返答しねぇもんな。あんた顔にでるからわかりやすいよ。』
まだクラゲを見つめている。
『好きとか……よくまだわかりません。』
私は一臣さんの一歩後ろに立ち彼の背中を見つめながら言う。
その言葉は、貴也さんに対して言ったのか一臣さんに対して言ったのか自分でもわからなかった。
『好きになる時ってさ、一緒に過ごした時間とか、相手がフリーかとかそんなん関係なく好きになるもんじゃん。』
確かに……私の一臣さんへの気持ちが……そうだ。
『まぁ、徐々に好きになるってこともあるけどさ。』



