甘い恋には遠すぎて



一臣さんは、のんびりと私の前を歩いてる。


私はふと我にかえって、なんでもっと洋服可愛いのにしてこなかったんだろうと後悔した。


こんなことになるなんてちっとも思ってなかったんだもん……仕方ないか……。


入り口のゲートを潜り、水族館の中へ進む。
仄かに薄暗く、たくさんの水槽の明かりがぼんやりと幻想的だ。


『みや美だっけ?貴也のことどう思ってんの?』


小さなくらげを眺めながら一臣さんはサラッと聞いてきた。


『えっ……どうって言われても……。』



『うわぁ〜くらげメチャ可愛いな〜……』


えっ?質問しといて人の話し聞いてない?