甘い恋には遠すぎて



『なんか、あのバカ(貴也)が、あんまりに興奮して熱出したらしくて、朝っぱらから呼び出され、チケット渡してくれって。』


ズイッとチケットを差し出され、私は、ドキドキしながら手を伸ばし受けとった。


『ありがとう…ございます。』


ん?二枚……?


『そいじゃ!!』



すぐに後ろ姿になる一臣さん。




せっかく会えたのに……

自分の気持ちを確かめるチャンスなのにっっ。


待って……


待って…!!


『待ってください!!』