甘い恋には遠すぎて



そしてデート当日−−


私は洋服選びに悩むこともなかった。普段と変わらずすぐに決まった。


変な胸のドキドキ感もない。


いつもとおんなじ……


これって恋する女の子の感情じゃ…ない…よね?


やっぱり貴也さんじゃないんだ−−−。



あの日からまだ数日しかたっていない。


私の頭の片隅には……



まだ一度しか会った事のない一臣さんが、チラつく。


なんでこんなに気になるんだろう?



茶色い綺麗な髪

細い体のライン

男性とは思えない白くて綺麗な指先

ビー玉みたいな瞳

やる気のなさそうな仕草