朝がやってくる。

私は3日寝ていない。

でも全然眠くない。

私は病院の食事をあまり食べる事ができない。

体を動かしていないからからだろうか、

全然お腹がすかない。

「桐生さん。食事しないの?」

いつも私のそばで、
本を読んでいるか、
ノートに何か書いている桐生さん。

「一体、いつ食事して、睡眠とってるの?」

桐生さん?

桐生さんは返事をしない。

呼吸だけが聞こえる。

「寝てる?」

私は顔を覗き込んだ。

桐生さんは椅子に座って寝ていた。

ずっと寝ていなかったんだ。

私はそっとベッドからでて、
タオルケットを桐生さんの肩にかけた。



桐生さんの顔は朝日に照らされて

艶やかで優美だった。


閉じた目。

整った鼻。

やわらかそうな唇。

白い絹のような肌。



私は触れたい衝動を抑えられずにそっと片手を、
桐生さんの頬に触れた。



そしてそっと起こさないようにキスをした。



触れたか触れてないくらいのくすぐったいキス。