「あ、駅着いちゃった」


「だね。じゃあね悠」


「ちょっと待って」


「何?……んっ」


「また明日ね」


重なった唇は冷たくて、

身体の芯はじわじわと熱くなる。


「……っ!悠っ」


振り返った悠太は暗がりでもハッキリとその形は分かる。


「明日はポケットの位置が低いコートを着てきなさいっ!!」


「……リョーカイっ!」






明日も手袋は置いてこようか。

置き勉してあるけど。







fin.