学園では成績優秀でいつもニコニコしていて爽やかな湊君。
でも家では意地悪ばっかり言ってくるしすぐ不機嫌になるしクールな湊君。
どっちが本当の湊君なのかな…なんて思った事もある。
だけど今目の前で頬を染め余裕が無いと言っている湊君はまぎれもなくホンモノで…
そんな表情を見れた事を少なからず嬉しいと思っている。
「言っとくけど俺は、冗談で言ってないしからかってもないから」
顔を隠していた手をどけた湊君の表情はすっかりいつも通りに戻っていて
「でも他の女の子にもそういう事言ってるんでしょ」
「言ってない、言うわけないだろ」
「じゃあ何で…」
湊君の気持ちが分からない。
「私達は偽の恋人で親が決めた婚約者なのに…どうして私にかまうの…」
眉を歪ませ湊君を見上げると、湊君は小さく溜息を吐いて真剣な眼差しを私に向けた。
「そんなの決まってんだろ」そう湊君が言葉を発したところで、少し遠くの方から笑い声が聞こえて来る。しかもどんどん近付いてきているような…
「湊君!誰か来た!」



