あまりの驚きに声なんか出なくて、目の前でパタンと木製の扉が閉まった。
どうやら私は廊下に引っ張りこまれたらしい。
「湊君!?」
そして私の手を引いた犯人は湊君だった。
自然とあたりを見回して誰もいない事を確認する。
「何いきなり、ビックリするじゃん」
驚いた後、少し湊君を睨み付けると掴まれていた手を振り解く。
「それに誰かに見られたらどうするの」
さっきの控え室に来た時といい、今といい…私との約束を守るつもりはあるんだろうか…あまりの大胆な行動に湊君が約束を守ってくれる感じはしない。
「手」
「て?」
「手かせよ」
「え?」
手?何で手?
「どうして?」
「良いから」
目の前の湊君はさっきの生徒達に笑顔を向けていた王子のような表情のカケラさえもなくて、私を見下ろしながら意味の分からない事を言ってくる。



