それを素直に受け入れている湊君と、嫌だともがく私…
学園の王子様と結婚だなんて、きっと他の女の子からしたら喉から手が出るほど欲しいポジションで…
私だって別に湊君が嫌いなわけじゃない。
風紀の仕事もいつもスマートにこなしていて、学力テストでは二年生のいつもトップで…顔なんてむしろカッコイイとさえ思う。
だけど私はまだ16歳で、自分が思っているよりもほんの子供で…そう簡単に受け入れるモノなんかじゃない…
うつむき小さく拳を握りしめると…頭上から優しく声が降ってくる。
「まぁいきなり、こんな理不尽な事受け入れろって方が無理だよな」
それはどこか優しげで、いつもの意地悪な声とは違くて
ゆっくりと顔を上げた私を困ったように見下ろしている。



