「嫌よ!イヤ!!行かない」 椅子から立ち上がりジリッと一歩後ろへと下がる。 香月は長い足でコツコツと革靴のキレの良い音をたてながら、こっちに近付いてくると ニコリと爽やかに笑って 「行きますよ」 私の手を掴んだ。