これからも君だけ




自室に入ってすぐ





「ずいぶん遅いお帰りだな」





鞄を置いてリボンを緩めていた手が止まる。





「ちょっと!勝手に入って来ないでって言ったでしょ!!」





ドアに背をもたれさせながら腕を組んで、何故かこちらを見ている湊君。






「生徒会の連中は仕事が遅いんだな」





「ほっといて下さい、あなたには関係ない」





止めていた手を再び動かそうと湊君から視線を外す。





「きゃっ!」






いきなり腕を引かれよろめいたカラダが湊君によって支えられた。





「ちょっと何!?」




睨むようにして顔を見上げると、緩んでいたリボンが湊君の右手によってスルリといとも簡単に外されて…





「お前の好きな奴って生徒会の人間?」





「は?何でいきなりそんな話になるの」





そんな事湊君に言うわけないじゃない。






「それより離して!」





支えられているカラダをよじるようにしてグイっと強く押すと、さらにギュッと力を込めてくる。