さすが香月、全く動じない。
でも…ま、負けない!!
「父様の見方をするの?恋人でもない人と結婚させられるのに!」
「ですが陸様、一条様はとても優秀でステキな男性だと伺っております。きっと陸様を大切にして下さいます」
「そんな事を聞いてるんじゃない!香月は私が可愛いくないの!?見捨てるの?」
助手席からこっちを覗き込んでいる香月を睨み付けると、香月は困ったように眉を歪ませ少し切なげな表情をしてくる。
正直こんな顔をするとは思ってなかった…
キツく言いすぎたかな…そう思い香月の名前を呼ぼうとした時
「わたくしは何よりも陸様の幸せを願っています。だからこそ一条様とのご婚約に賛成しました」
なに…それ…
湊君と婚約することが私の一番の幸せだってこと…?
「陸様、見える事だけが全てではありません」
「何それ…どういう意味…」
「きっと陸様なら分かります。いえ、絶対に陸様ならいつかお気づきになります」



