仕事が終わって校門に行くと、そこに待っているのはうちのいつもの車。
もちろん他の生徒会メンバー達にもお迎えが来ていて手を振り別れた。
車の前で立っているのは香月。
無駄に爽やかなオーラを放ち、そして今日もやけに黒縁メガネが似合っていて腹が立つ。
「陸様、おかえりなさいませ」
まるで何ごともなかったかのように笑顔を見せる香月を無視して、そのまま車内へと乗り込むと
「陸様、どうなさいました?」
香月は助手席に座ると、明らかに不機嫌な私を不思議そうに見てくる。
運転手さんごめんなさい、私は今から香月と喧嘩します。
「どうしたじゃないわ、香月何で婚約の事を黙ってたの」
お腹のそこから低く怒りの声を出した。
「申し訳ありません、ご主人様からの言いつけで陸様には黙っているようにと」
でもそんな私の怒りに香月は表情一つ変えるどころか、ニッコリと笑って答えてくる。



