「おはようございます」
なるべく目を合わせないようにして言葉を吐き出す。
早くあっち行ってくれないかな…
湊君とは学校でなるべく接触したくない。
もしもの事があったら困るし…
そもそも父様も母様もこの学園の卒業生なのだから、生徒会と風紀のシステムも関係性も分かっていらっしゃるはずなのに…なんで生徒会の私と風紀の湊君を婚約なんてさせたの…
それこそもし皆んなにバレたら、生徒会派と風紀派の生徒達がどう思うか……
怖すぎて想像も出来ない…。
ただ分かることは、私は確実に湊ファンにコロサレルという事。
「お二人は随分と仲がよろしいんですね」
下を向いていた顔を上げて湊君の顔を見ると、その視線は私が掴んでいる会長の制服を見ていて、思わずハッと手を離す。
「まぁな、会長と副会長だから当然だ」
それに何故か会長は否定するどころか小さく口角を上げて笑うと私の肩に腕を回す。



