「ものすごくド下手なんです!どうしましょう!!」
会長のブレザーをギュッと握り会長を見上げると
「ぶっ」とつり目を細めて笑い出す。
「ちょっと!会長なんで笑うんですか!!」
こっちは真剣に悩んでいるのにもかかわらず、ククッと喉の奥を鳴らすようにして口に手の甲を当て笑いをこらえている会長
「笑ってる場合じゃないんですよ本当に!私本番どうしたら良いんですか!?」
今にも泣きそうに会長の腕をガクガクと揺さぶり睨みつけていると
「生徒会のお二方、おはようございます」
そこにいたのは風紀実行委員会のメンバー達。
話しかけてきたのは三年の瀧川 夜(タキガワ ヨル)
風紀実行委員会の副委員長であり我が学園一の美少女。
そして……
「おはようございます。朝比奈会長、桐谷副会長」
爽やかな笑顔
すらっとした長身
見たこともないほど綺麗な顔立ちのこの人が
生徒会長と肩を並べている権力者
風紀実行委員会委員長
一条 湊
そう、私と湊君は実は学園内で言うと対立した立場の者同士。



