「学園の王子なんて嘘!悪魔だよ!あんなのただの悪魔!!」




「誰が悪魔だと?」




いきなり開かれた部屋のドア、




スイートルームってだけあって、もちろん各自の部屋はある。




リビングなんで驚くほど綺麗で広くて、ダイニングキッチンまであった。




「ちょっと!!勝手に人の部屋開けないでよ!!」




「別に良いだろ、未来の夫婦なんだから」




意地悪そうに口角を上げる湊君。


うん、やっぱりこんなのが王子なわけない!!




「良くない!ていうか私明日にはここ出て行くから!!」




そう言ってベットへと潜り込む私に




「あぁ、その事だけどコレ」



ベットへと放り投げる小さな封筒、
それを開くと中にはお母様の字でずらずらと文が並べられていた。




その内容は、本当はもうずっと前から
むしろお爺様の代からこの婚約は決まっていたという内容だった。

そして、もちろんいくらお爺様の代から決まっていた婚約だとしてもさすがに私の両親も鬼じゃない。




可愛い娘を簡単に嫁に出すつもりなんてなかったけれど、


湊君のことはこのセレブ業界では有名で、いかに優秀でいかに素敵な男性なのか噂は常に絶えなかったと言う。彼なら私を幸せにしてくれると、むしろ彼しかいないと、そういう気持ちで両親は私を送り出したんだと書かれていた。