息苦しさに眉をゆがましながら、目の前の胸板を思い切り叩くと その唇はすぐに私から離れ、 「お前がどうあがいたって婚約が無くなることはないよ、俺らのいる世界はそういう世界だからな」 そしてとびきり意地悪な声で 怖いくらい綺麗な顔で 「今日からよろしくな、陸」 あの爽やか王子スマイルを私に向けた。