私を助けてくれたのはミサキだった。




そうだ。よく考えたらレツが私の学校にいるはずがない



レツとミサキの声はそれなりに似ていて、いくら兄弟だからって友達と彼氏の声を間違えるなんて…



それにミサキの声はレツみたいにぶっきらぼうじゃない



「ミサキありがとう」



矢沢をボッコボコにしたミサキには傷ひとつない


「別に」



ポケットに手を突っ込みながら歩く姿は、やっぱりレツに似ていた