「ジュン、行くぞ」
私の手を握ったレツは、筋の通った大きな腕でグイッと引き寄せる
「うん」
下におりると総ちゃんが車をあけて待ってくれていて
私とレツが乗ると、その扉はバタンと閉じられた。
ふぅと息をつく私の隣のレツが、
「辛かったら寄っ掛かっていいぞ」
そう言って私の頭を肩に引き寄せる。
ハッキリ言ってこの体制…緊張するんだけど
心拍数上がって余計に熱上がりそう。
でもそんな事考えているうちも、さっきより頭がボーっとしてきて
レツの少し冷たい手が私の額に触れる。
きっと私のオデコが熱いからレツの手が冷たく感じるのだろう
「着いたら起こしてやるから寝ろ。」
その声に、私はゆっくりと瞳を閉じた。



