傘をツカサと子猫に傾けながら、もう一度そっと覗き込む ツカサは弱々しく寒そうに丸まる子猫を持ち上げると、胸へそっと抱いた。 「倉庫戻ろう」 ツカサに抱えられた猫はびちょびちょに濡れていて ビクビクと怯えている。 「乾かしてあげなきゃ」 傘をできるかぎるツカサの方へと寄せる。 震えた体が、冷たい毛並みが…ずっとあそこにいた事を教えている 捨て猫だろうか。小さな背中をありったけ丸めて必死に生きている こんなにも小さな命を どうして簡単に捨てられる人がいるのだろう…