REAL HOPE Ⅱ




傘をツカサと子猫に傾けながら、もう一度そっと覗き込む




ツカサは弱々しく寒そうに丸まる子猫を持ち上げると、胸へそっと抱いた。



「倉庫戻ろう」



ツカサに抱えられた猫はびちょびちょに濡れていて


ビクビクと怯えている。



「乾かしてあげなきゃ」


傘をできるかぎるツカサの方へと寄せる。



震えた体が、冷たい毛並みが…ずっとあそこにいた事を教えている



捨て猫だろうか。小さな背中をありったけ丸めて必死に生きている


こんなにも小さな命を
どうして簡単に捨てられる人がいるのだろう…