「ねぇツカサ、ちょっとこっち来て」



少し奥で面子達と話していたツカサを呼び戻すと



シャッターの前にあった誰のか分からないおんぼろのビニール傘を手に取った。




「なんだよ?」



ツカサはいきなり傘を手にとる私を不思議そうに見る



おんぼろ傘はパンッと思ったより張りのある音を立て、



外へ歩き出した私を雨から守る……



ニャー



「おいジュン!?」ツカサは傘が無かったのか、そのまま私の後ろから

バチャバチャと水の音をたてながら付いてきた。