REAL HOPE Ⅱ




横を見ないようにしていた私だけど、やっぱり奴はこっちを見ているらしく…視線を感じる



「ねぇ村田さん!」


ビクッとしたのは、怯えてるからとかじゃなくて

まさか話し掛けてくるとは思っていなかったから。



私はゆっくりと横へと振り返った。同じクラスになってからニ週間がたったけど、こいつの顔をきちんと見たのきっと初めて…



「俺 矢沢カズキ。よろしくね」



彼はニコっと笑うと私へと手を差し出した。



その笑顔はどこか不自然で…



「こちらこそ…よろしく」そう言って握った彼の手は、ビックリすくらい冷たくて、窓から入ってきた風がやたらとぬるく感じた。