☆あたしの隣は俺様芸能人っ?!



少し不安を感じながら自分の席を
確認してみる。

(あった!)

やっぱりあたしの荷物はそこに
置きっぱなしにされていた。

それを持って、来た道を
引き返そうとしていると

聞き慣れた声が廊下の向こうから響いてきた。


(この声はもしかして‥)


ゴクリと唾を飲んで、その場で立ち止まる。

なぜだか今は動いては
いけないような気がした。


「────だから‥〜」

「‥?」


微かに声は聞こえてくるのだけど
距離が遠いのかよく聞き取れない。

いけない事って分かってるけど、
あたしはその声がする方へと
足を進めた。


「うぜーんだよなああいうやつ。」

「分かる分かる〜。出待ちとかダルいよな!」


近付くとハッキリと声が
聞こえるようになった。

‥この声は間違いない。
慶太と健の声だ。