必死の思いで 会場に着いた頃には、 周りには誰も居なくなっていた。 「すいません、中に忘れ物しちゃって‥」 ドアの前で暇そうに立っていた 警備員さんに言うと 意外とすんなりと中に入れてくれた。 「‥いいのかな、あんなすんなりと」 普通はもうちょっと調べたりとか しなきゃいけないんじゃないの? ま、いっか。 入れたんだし。 そんなことよりっ 早く忘れ物取って戻らなきゃ! 雛のこと待たせちゃってるし。 きっと自分の席に置きっぱなしだと 思うんだけどなー‥。 まだあるかな。