へなへなと力が抜けたように
その場に座り込むと
慶太がしゃがんであたしの目線に顔を合わせる。
「‥俺の本性知った罰だよ。‥まぁ莉乃にとってはラッキーなことかもしれねーけどな」
フッと笑う慶太に、なぜだか怒りが沸いてきた。
「──‥い」
「ん?聞こえねーよ」
「いい加減にしなさーい!!!」
「ーっ!」
ガツンと慶太の顔に思いっきりビンタをお見舞いする。
「なんなのよアンタ!たかが本性知られたくらいで。男ならもっと広い心で女の子に接しなさいよーっ!」
息する暇もないくらいの早口で話すあたしに
慶太は口をポカンと開けている。
「大体ね、ちょっと売れてるからって調子乗りすぎなのよ。
勝手に一緒に住むとか決めないでよ!あたしは絶対に嫌だから。同居なんて許さないから!」
言い切ったころにはもう息が上がってしまっていた。
ここまで早く喋ったの、
生まれてはじめてかもしれない。

