「マスターキー?」

「はい、お客様に万が一のことがあった場合に備えて、車掌室にすべての部屋のカギを常備してあります」

「確かに、彼の言う通り、社の安全措置の一環としてそういうことになっている」

「それで、一等室のカギがすべてなくなっていたから、確認のために部屋を訪れていたら、死体を発見した。
そういうことですね?」

「その通りです」

「では最後に、もうひとつ、質問をよろしいでしょうか?」