目が覚めた。天井は白い。飲まれて闇になったはずなのに色がある。どういうことだ?周りを見ると、机や椅子がある。そこには太めの白衣を着た男性がなにやら作業をしている。私の気配に察したのか、男は、
「気がついたようですね。ああ、今、点滴中
だから動かさないように」
点滴?腕を見ると、確かに点滴の管が私の腕に刺さっている。
 「ここは・・・?」  
 「病院ですよ。同僚の方が貴方を連れてきたんですよ。
過労で身体が祟ったんでしょうね。今の気分はどうですか?」
 身体・・・少し重いように思えるものの、
楽な感じであると伝えた。
 「そうですか。あと少ししたら点滴が終わりますから、横になっててください」   
 十数分くらい経過し、点滴は抜かれた。
身体も軽くなり、運動が出来そうなくらいだ。
男も「それは良いのですが、今日の所は安静にしてにして下さい」と言われた。
 病院を後にし、家に戻った。スマートフォンのメールには『今日は出社しなくていいから家で安静にしてろ』という上司からだった。
 家に戻り、寝間着を着用しベッドに潜った。
「あれは何だったのだろう・・・夢なのか?」
冷静に考えると、かなりいや、相当現実離れした出来事だった。まるでゲームのようなそんな感覚だ。
 「馬鹿馬鹿しい。考えるのは止めだ。もう少し寝れば、そんな事は忘れる」
私は入眠にたどり着き、ぐっすりと眠った。

 「・・・・ふん、今日は良いだろう。だが、近いうちに同じ事が起きる。その時だ。その時にお前を完全に引き込んでやる・・・」