「…なぁ、莉依。」

いつもの様に机に突っ伏していると、
奴に声をかけられた。

「…なんだ、蓮か。」

「なんだとはなんだよ?失礼な(怒」

…まぁ、ほっとこう。

蓮___向井蓮は、私の幼馴染である。

家が隣同士で毎日一緒に登下校している。

一時期、付き合っていると噂されたことが
あった。

まぁ、私は蓮のことは幼馴染としか
思ってないし、蓮も同じだと思う。

「…そういえば今日、テスト返却だな。」

ふと思い出した様で、こちらへ顔を向いた。

「んー、そうだね。また、全教科平均だったら
どうしよう?」

今回は結構、頑張ったんだけど…。

蓮は何かひらめいた様で、ニコニコしている。

「もし、莉依が全教科平均点だったら、
何か奢って!」

よっぽど自信があるのか、ニコニコしながら
話しかけてくる蓮。

まぁ、さすがに今回もってことはないだろ。

「いいよ。けど、違ったら蓮、奢ってね?」

「おう。じゃ、交渉成立だなっ♪」

…どっからそんな自信でてくるんだ?

まぁ、10年以上の付き合いだしな。

「テスト返却、始めるぞー。」

いつのまにか、先生が教室に入ってきていた。

慌てて準備をする。

そして、テスト返却は始まった。