ヒコーキ雲の向こうに・・・



そこに写っていたのは…


家族写真…


産まれたての赤ちゃん…

これ…あたし…?

そしてそれを抱き上げるおかあさん…



その隣にいるのは…


初めて見る男の人…




日付を見るとあたしが産まれた翌日だった…

この人がお父さんなのだろう…


あたしが4歳の時交通事故にあった人…


おかあさんは

「写真が嫌いな人だったから…写真はないのよ」

って言ってたのに…


次のページもその次のページも

嬉しそうな2人と赤ちゃん…


でも…写真の日付は進むことなく

5ページほどのファイルは終わっていた




お母さんに持って行こうと思ったけど

慌てて止めた…


お母さんはこの人の話をしたがらない…

きっと悲しそうな顔をするだけ…

そんな気がした


というか…

現に今までお父さんの話しを聞くといつもそうだった

一緒に住んでいたのもあたしが産まれて6ヶ月たったぐらいまで…

単身赴任で離れて住むことになって

赴任先で事故にあったらしい…


覚えてないのも当たり前か…



「あった!!」

裁縫セット!そうそうコレを探してたんだ

押入れにファイルを押し込んで裁縫セットを開けた