ヒコーキ雲の向こうに・・・



家に帰るとめずらしくお母さんがいた

「おかえり」

「…ただいま…帰ってたんだね」

「うん…ごめんね最近忙しくって…」

「ううん…大丈夫」

「遅かったね…高校ってこんなもんなの?」

「あぁ…サッカー部のマネージャーやってるから…」


忙しいお母さんには言ってなかった

というかそんな話をする時間なんてなかったから…


「そう…」

疲れた表情で笑うお母さん…

見ていると苦しくなった…


「…じゃぁ…あたしちょっとやることあるから」

「うん…」

階段を上って自分の部屋に戻ると

材料の入った袋を取り出した


「よっしゃ…ぁ…」

…裁縫道具!!

「どこにやったっけなぁ~??」

押入れの中をかき回す



……パタッ



薄いファイルが落ちてきた

アルバムともいえないほど薄い写真入れ



懐かしい…とも言えない…

こんなものが自分の部屋にあるってことすら知らなかった…


ゆっくりと拾い上げてページをめくった…