しかし、薬屋さんはハッとしたように言う。


「そういえば、この薬があります!もしかしたら治せるかもしれません」


薬屋さんがそう言うと、また皆の顔はあがる。


「では、圭さん。これを飲んで下さい」


薬屋さんは、うまく水と一緒に飲ませた。


「ガハッ…!ッ、ゴホ、ゴホッ」


圭さんは、また咳をし出した。


血と一緒に、紫っぽい色の物質も出てくる。


これが……毒?


圭さんは、相変わらず咳をしている。


「圭さんは、少し安静にさせておきましょう」


薬屋さんのその一言で、皆の雰囲気はガラリと変わった。


はりつめた空気だったが、少し緩くなった。