「では、今日は耳をつける」


そう言って橋谷は白いウサ耳を出した。


「これをつければその耳はいらないな。とるか」


そう言い、橋谷はまあみの耳を引っ張った。


まあみは恐怖した。


「いやぁぁぁあ!」


そう言って、走った。


まあみは逃げた。


ただ走った。


しかし、アラタは追いかけた。


「だめだまあみ!行ってはだめだ!」


アラタは、まあみを引き戻そうとした。


「はぁ…はぁっ」


まあみは逃げた。


ただ、この恐怖から逃れるために。


現実から、逃げるためにまあみは命を絶とうとしたのだ。


アラタは分かっていた。


だから追いかける。


まあみを生かすために。