『では、開始!』


そのアナウンスと同時にバトンが落ちてきた。


アキラはバトンを拾う。


「………」


そして、こっちを向いてこう言った。


「はい、まあみ」


なんでだろう。


このバトンをとっちゃいけない気がする。


とってしまったら…どうなるか分かんないけど、ヤバい気がする。


このバトン、すごく…重い。


ずっととらないでいるとアキラは目を細めて言った。


「はい、まあみ」


私はアキラに恐怖した。


そして震える手を少し抑えながら、バトンを受け取った。