「白ウサギ…はやく。俺はもうすぐ死ぬ。だからはやく…あの、中に…」


チェシャ猫さんの意識が薄れていく。


せっかく私なんかをかばってくれたんだ。


無駄にはしないよ、チェシャ猫さん。


「アキラ!ユウ!手伝って」


「あぁ」


「もちろん」


二人は駆け足でこちらへ向かってきた。


三人で足や頭を持って、生け贄ゾーンへと運ぶ。


カプセルに入れたとき、最後にチェシャ猫さんは言った。


「お前らは…生きろよ」


そう言って、彼は自分でカプセルを閉じた。