「何で周りの皆も五月蝿いのにあたしだけ怒られなきゃいけないわけ?」


「別に怒ってねぇよ」


「怒ってんじゃん」


「どこが」


「顔、声、口調、態度、オーラ、全てにおいてあなたは無愛想で怒ってるように見えます。なので、あたしにこんな誤解されたくなかったら笑って下さい」


「…くだらねぇ」


「ほら、笑って!ニカって!ほら!スマ~イル!」


あたしがそう言いながら指で自分の口角を吊り上げると、


「顔、崩れてっぞ」


レディに言ってはいけない事を言った。


「な!レディに向かって崩れてるとは何だ、崩れてるとは!せめて、『ぐしゃぐしゃ』と言ってくれ!」


「どっちも同じじゃねぇか。受け取り方かえると、そっちの方が酷く聞こえるぞ」


「いちいち人の上げ足をとるな!」


「…ったく、本当お前うるせぇ奴だな」


「…ったく、本当お前無愛想な奴だな」


「言い方真似してんじゃねぇよ」


「言い方真似してねぇよ」


「してんじゃねぇか」


「してねぇよ」


「…もういい。お前と喋ってると疲れる」


そう言って机に突っ伏せた。